結婚相談所 東京

2008年05月11日

『わが魂は輝く水なり』観劇

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2008年5月10日(土)マチネ
@Bunkamuraシアターコクーン
C列下手
(ちなみにソワレは洋さん観劇。ク〜〜〜〜〜ッ!!!またもやニアピン!!!)

作:清水邦夫
演出:蜷川幸雄

出演:
斎藤実盛:野村萬斎
斎藤五郎(実盛の息子。亡霊):尾上菊之助

斎藤六郎(実盛の息子):坂東亀三郎
藤原権頭:津嘉山正種
郎党時丸:川岡大次郎
巴:秋山菜津子
ふぶき:邑野みあ
中原兼光:廣田高志
中原兼平:大石継太
郎党黒玄坊:大富士
平維盛:長谷川博己
乳母浜風:神保共子
城貞康:二反田雅澄


やっぱりわたしは清水戯曲が好きみたい。
ズドーーーンと心をわしづかみにされる舞台より、徐々に心に迫ってくるあの感じがたまらない。
今回もこの”森の国”の世界に迷い込み、今も余韻に浸っています。


以下ネタバレあり。

清水戯曲って、「こうである」という答えのようなものがいつもない。
観ている側の想像でどうとでもとらえることが出来る。

このお話、表面上は”源平合戦”のお話なんだけど、内容は実に奥が深いんですよ。

軸は”狂気”。         

なのかなあ。


義仲軍の”狂気”の集団は一見優勢に見られていても、実際はもの凄い勢いで自滅していく。。。

そもそも”狂気”ってなんだろう。
どこかまでが”正気”でどこからが”狂気”の世界なのか。
一般的に狂気と思われたとしても、少し見方を変えればそれは”正気”ともとれる。
実際にわたしたちって本当に曖昧な世界で生きているんだよね。
連日のように起こっている”狂気”としか思えない悲惨な事件も、その張本人や、周りの人間は皆それを当たり前のように”正気”ととらえているんだろうし。
この歪んだ世の中、人はどこに向かっていくんでしょうかね。

そんな狂気と正気の不安定な世界で生きた義仲軍。
みな”自分だけが正気”だと信じて生きている。。。
巴を演じる秋山菜津子さん。
女であるときの巴と、義仲に扮するときの巴。そして・・・狂気の沙汰に堕ちていく巴。
その姿はとても切なく見ている方が辛かったです。

大石継太さんと廣田高志さん兄弟。
大石継太さんのあんな姿、初めて拝見しましたよ。
義仲軍を守っていくためには手段を選ばない冷酷な男です。
廣田さんは・・・
コーンウォール伯爵の亡霊が住みついているに違いない!!!って、そんな感じでした。
最後まで”眼”を怖がる兼光(廣田さん)。
死人の眼が恐ろしいと、必ず眼をえぐる。
そして徐々に狂気の世界に向かっていく兼光は、もの凄く怖かったです。
彼ら2人によって、義仲軍の狂気を実によく表現していました。



そしてもうひとつ。
実盛と五郎の親子も軸となっている。
実盛の、さけることのできない老いの問題。
そこにからんでくる父と息子の関係。
それらをふまえた上での五郎や巴たちに抱く”若さ”へのどうしようもない嫉妬心。

萬斎さんはそんな実盛を完ぺきに演じられていました。
もうどこから見ても60歳を迎える老兵ですよ。
普段「ややこしや〜」なんて言っているお姿はどこへやら。。。(笑)
でもってそこにいるのは実盛そのものなのに、その演技に余裕があるっていうか、どこか一歩引いた感じで萬斎さんが見ているような感じなんだよね。
実盛が一人歩きしていない。演じる萬斎さんがきちんと実盛をセーブしている。
すごいよな〜。やっぱり萬斎さんはすごい人だった!!!

そしてなにより五郎演じた菊之助さん!!!
普段は実盛のそばを一時も離れない亡霊としてちょっとコミカルな親子感が見られているんだけど、
そんな中で父親へ語りかける場面があるんです。
とくに五郎が実盛に、死んだ本当の理由を独白する場面。

「不思議と怖くはなかった。痛くもなかった。それよりもおぼえているのは、巴殿のあの恐怖で満たされた眼。」

そんなような言葉を言うのですが、
淡々と語るその姿は、とても透明で魂が浄化されているような、亡霊というよりはむしろ神に近い存在のような。
そんなオーラが菊之助さんから発せられてたんです。
とくに好きな場面でした。

ラストのシーンもね、わたしは好きでしたよ。
普段の蜷川舞台なら敵陣に思いっきりやられて死ぬって感じですが、今回はとても静かに、安らかに死んでいくんです。

「どこかで水が溢れている・・・
いっぱい溢れている・・・
妙だ、水を思うと心がなごむ、心が落ち着く・・・なぜだ・・・」

とても幸せな死に様だったような気がします。


そうそう、長谷川博己さん!!!
今回の役どころはなんとも抜けた平家の武将(←通り雨さん、教えていただきありがとうございました。)です。(*≧m≦*)ププッ
メッチャかわいいのよ。
立ち姿なんかはとっても背が高くてカッコいいんだけど、そのギャップがなんとも良い。
でも本人はいたってまじめなんだよね。


とにかく1人1人がみんなその役として生き生きと生きていて、もの凄く濃密な群像劇でした。





最後に。。。
ここまで書いておいてあれですが、正直1幕はこの世界に入り込むことができませんでした。
 あまりにみなさんその”役”としてそこに存在していて、わたし自身がどこに焦点を合わせてて観たらいいのか、実盛と五郎の親子なのか、それとも義仲軍の狂気なのかいまいちつかめなかったんです。
それでも、休憩挟んで2幕からはいつの間にやらすっかりあの世界を堪能していましたがね。
最後にはまるで言葉の森に迷い込んだ気分になりましたよ。


あ〜〜〜〜。なんかいまいち確信に迫って書けないなあ。
ここまで出かかっているんだけど。。。
もどかしい〜〜〜!!!
とにかく今回の舞台はメッセージ性がとっても強くって。。。

せめてあと1回観劇できれば、もう少しなにかが見えてきそうなんだけど。
でも今年は”観劇自粛年間”なので、やっぱり今日のこの1回で無理矢理我慢するとします。
く〜〜〜!くやしなあ。。。

難しいぜ。清水&蜷川舞台。

posted by なっつん at 23:14| Comment(1) | TrackBack(0) | 観劇
この記事へのコメント
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同じく観劇自粛中です。
去年、観劇中心にしていたら付き合いの悪い人間になっていたので(__;)
清水作品いいですよねぇ。観劇はこれからですが、題名が美しい!どんな生き方すれば、そんな美しい言葉が浮かぶようになるのでしょうか。
遅くなりましたが、ショップオープンおめでとうございます(@゚▽゚@)
| あっこ | 2008/05/11 1:40 PM |
『わが魂…』帰りです!
いや〜…よい舞台だったぁ(*^.^*)
時代劇だからさぁ、入っていけないかと思ったけど、すごく引き込まれたよ〜。
そうそう!大石さんかっこよかったね☆
時代劇メイクがバッチリでした。
萬斎、菊之助親子もステキだったね。
私ももう一回観たいけど…
一応自粛中!
壱万円だしっ(^^;)
(衣装がステキだったから、壱万円の価値あるね〜)
| きこ | 2008/05/11 5:41 PM |
なっつんさん
こんにちは!
私も何故だか、一幕は入り込めなかったんですよね。
なっつんさんの気持ちわかりますよ〜
私も自粛?すべきなんですが(笑)
近いうち、もう一回いってきます。
でもすっきりしないかもしれないけど...
やっぱり清水さんの戯曲っていいですよね〜
| eko | 2008/05/11 5:49 PM |
今回も素晴らしい舞台だったみたいですね!
あたしは今週観に行くのですが、楽しみになってきました。
でもあたしの場合、清水作品はいつも観劇前にかなりの
覚悟が必要なんですよ。。。
テーマを掴むのがすごく難しいので。
その分、後の余韻もすごいんですけどね(笑)
今回も、しっかり覚悟を決めて臨みたいと思います!
| あき | 2008/05/11 5:54 PM |
長谷川さんが演じたのは、平家の武将平維盛ですよん。
| 通り雨 | 2008/05/11 6:11 PM |
☆通り雨さま
ひょえ〜〜〜〜〜〜!!!!
本当に申し訳ありませんっ。
なんてミスを。。。
教えていただいて本当にありがとうございました。
| なっつん | 2008/05/11 7:22 PM |
清水戯曲はひもとくのが難しいね。
でもこの舞台好きです☆
私は実盛と五郎の親子に、焦点をあてて見ていたような気がする。
義仲軍の狂気が連鎖して、渦のように迫ってくる恐怖を感じたよ(>_<)
何に向かって戦っているのか分からない。終着点がないような。。。
その中で実盛と五郎の静が水を持って清めた感じに思えた。もう一度見たら違うと思うけど。。。
廣田さん、また目を抉るんかい!と思っちゃった(笑)
菊之助さん美しかったよ。歌舞伎に興味出てきちゃう(笑)
後半、洋さんに(☆。☆)キラーン!!でした(笑)
| すがっち | 2008/05/11 7:55 PM |
なっつん、もう観てきたんだね。
長谷川さんがかわいい、て所がとっても気になるな〜。
萬斎さんが「ややこしや〜」てやってるのを、3歳の姪っ子と一緒によく見てるから、あのお茶目なイメージとのギャップが楽しみ♪
2週間後の観劇が待ち遠しいなぁ!
| aco | 2008/05/11 9:55 PM |
なっつんさんの観劇報告に感激して、またまたコメントさせていただきます。
「わが魂は〜」本当に美しい舞台でしたよね。
戦さの多いお芝居なので、また暗い気持ちになるのかな〜って最初は思っていたのですが、なぜかすがすがしい気持ちで帰ってくることができました。
最後の水の音が今でも耳に残っていて、優しい気持ちになれるのです。
萬斎さんの老武将ぶりはすばらしかったですよね。
そして、なんといっても菊之助さんの亡霊のチャーミングなこと!!美しくてお茶目でそして清らかで、本当にこの世のものとは思えないほどの透明感でした。
大石さんは本当に冷酷な人になっていましたよね。顔つきが全然違うので、最初全然分からなくて…役者さんってすごいな、と思いました。
それから、長谷川さん可愛かったですよね!!!美しい武将姿でその役をコミカルに演じていられるのを観て、またまた惚れ直してしまいました(^^)
本当にもう1回みたいです。演劇って何回か観ないと、自分の中で十分消化できないですよね(;;)
| みい | 2008/05/11 10:42 PM |
邪念入りまくりの観劇だったけど
一応、観るとこは観てたゾ(笑)たぶん・・。
美術、キレイだったな〜♪
あのバックの空!
夕焼けだったり、夜が明けてきたり・・・
本物みたいにキレイだった〜♪
あと、ラストシーン。
周りからぐぐっと迫ってくるとこ、
一瞬「カリギュラ」を思い出したけど、
あの照明の加減といい、影絵のようで
これまたキレイだったな〜♪
やっぱり舞台で観ると違うね〜。
戯曲だと、あのセリフで終わっちゃうから
何?その後ど〜なったの???って不思議だったんだけど、
実際観ると、いい終わり方だった(^−^)
すがっちさん♪
きのうは帰り道ご一緒していただき
ありがとうございました〜♪♪♪
| かよっぺ | 2008/05/12 12:30 AM |
☆あっこさん
あっこさんも自粛中なんですね。
観劇ってのめり込んじゃうと周りが見えなくなっちゃいますよね・・・(^▽^;)
お互い、自分の今の生活とうまくバランス取りながら、観劇人生突っ走りましょぉ!
そうそう、なによりこの題名、最高です!!!『わが魂は輝く水なり』なんてどうしてこんなすごい言葉が思い浮かぶんだろう。
あっこさんも思いっきり堪能してきてくださーい(^▽^)/
☆きこ
きこ、おかえりなさーい♪
大石さん、かっこよかったね〜。
でもやっぱりよーく見ると眼が優しかった。(*≧m≦*)ププッ
伝統芸能。。。恐るべしでした。
どうしてあんなに役を自在に操れるんだろう。。。
今回は1万円の価値が充分あったよね。
衣装もそうだし、なによりセットがきれいだった〜〜〜。
☆ekoさん
ekoさんも入り込めなかったのかあ。。。
なんか自分的にそこがクヤシくって。
もう一回観て納得したいよ。
>私も自粛?すべきなんですが(笑)
ムリムリ。(*≧m≦*)ププッ
ekoさんは我が道を突っ走って下さい♪
んで、すっきりするといいですね♪
☆あきさん
清水戯曲は本当に毎回奥が深い!!!
表面上だけでも難しいものが多いっていうのに、さらにその奥にあるメッセージのようなものにたどり着くまで、ホント大変ですよね。でもそのひも解きが私も好きなんです。(*≧m≦*)ププッ
あきさん、しっかり覚悟を決めて挑んできて下さいっ!!!
☆すがっち
すがっちは実盛と五郎親子に焦点を当ててみていたのかあ。
わたしももしもう1回見ることができたならそちら中心に観劇したいなあ。。。
>義仲軍の狂気が連鎖して、・・・・
うん、まさにそうだった。
実盛が正気でいられたのはきっと五郎がそばにいたからなんだよね。
でもその五郎は本当に”亡霊”だったのかなあ。実盛が求めてたから出てきたって五郎殿は言ってたけれど、本当は五郎も巴と同じように”夢”の中の住人だったのかなあ。。。と今日になって考えたり。←考えすぎだよね(^▽^;)
廣田さん本人も絶対にまた”眼”かよ!!!って思っているはずっ!!!(*≧m≦*)ププッ
☆acoちゃん
わたしにとって長谷川さんはケレアのイメージだったから、もの凄ーーーーく新鮮だったよ。でもね、話の筋とも全然浮いていなくて、ホッと一息つける憩いの場だった〜。
acoちゃん、楽しみにしていなよ!!!
わたしは観劇以来、「ややこしや〜」を見る目が変わりましたっ!
☆みいさん
「わが魂は輝く水なり」。
そのタイトル通り、とっても美しい舞台でした。
最期のシーンは観ているわたしたちの心も浄化させてくれるような、そんな感じでしたよね。
五郎が実盛を守ってあげられない切なさも涙をそそりました。
あの世で実盛と五郎は、きっと年の差関係なく輝いているんだろうな〜と思うと心が温まります。。。
それにしても今回は大石さんといい長谷川さんといい、新たな一面も見られて、それだけでも大収穫!!!でしたぁ。(*≧m≦*)ププッ
☆かよっぺ
今回結構前方席だったんだけど、やっぱり美術はちょっと後方からの方が絶対にきれいだよね。
前方でも「ウワっ!きれいだ〜っ」て思ったけれど、どうやっても全体を見ることはできないもん。
実はあと1回見る予定で持っていたチケット、かよっぺとまるっきり同じ位置だったんだ〜。あの位置でもう一度観たいっ!!!
だけど。。。我慢じゃーーー!!!
確かに戯曲読んだだけだと”???”って感じかもね。
そこらへんはやっぱり蜷川さんだっ!!!
| なっつん | 2008/05/12 10:50 PM |
Posted by なっつん at 2009年04月12日 23:15
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